ラヴ・ミー・テンダー
今日明日は来客の予定もないし、怪しいと思ったらドアを開けないようにしよう。

そう自分に言い聞かせると、私はバスルームへと足を向かわせた。

「はーっ、さっぱりしたー」

1時間半くらいの長風呂してバスルームを後にすると、雨が降っていることに気づいた。

「よかった、早く帰ってきて」

独り言を言ったら、お腹がグーッと鳴った。

「そりゃ、そうか…」

家に帰ってからすぐに長風呂をしたのだ、お腹が空くのは当然のことである。

「何かあったかな…」

キッチンへ行って冷蔵庫の中を確認しようとした時だった。

テーブルのうえに置いていたスマートフォンが震えた。

「えっ、何だろう?」

スマートフォンを手に取ると、画面に表示されている名前を見た。
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