ラヴ・ミー・テンダー
「じゃあ、お言葉に甘えて…」

「バスルームはあっちです」

武智さんがバスルームへ行ったことを確認すると、私はリビングに戻った。

「えーっと、確か…あったあった」

引き出しから8歳下の弟が泊まりにきた時のために置いてあるスウェットを取り出すと、バスタオルを一緒に持って、武智さんがいるバスルームへと向かった。

「着替えとバスタオル、ここに置いておきますね」

「ありがとうございました」

バスルームから返事が返ってきたのを確認すると、私はまたリビングへと戻った。

ソファーのうえに毛布を置くと、
「ありがとうございました」

武智さんがバスタオルで髪をふきながらバスルームから出てきた。

「サイズあってたみたいでよかったです」

弟のスウェットを身につけている武智さんに、私は言った。
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