ラヴ・ミー・テンダー
「私だって幸せになりたいのよ…。

仕事の幸せはもちろんのことだけど、女の幸せだって欲しいのよ…」

ブツブツと呟きながら歩いていたら、
「あの…大丈夫ですか?」

誰かに声をかけられた。

視線を向けると、スカジャンを羽織った背の高い男が立っていた。

あっ、かっこいいかも…。

目の前にいる彼の姿に、私は心の中で呟いた。

もしかしたら、酔っているせいでそう見えているのかも知れないけど…。

「…はい、大丈夫です」

私は彼の質問に答えた。

身長は180センチくらいだろうか?

私も168センチと女性の中では比較的高い方だけれども、彼はそれ以上だった。

服の上からでもよくわかる体格の良さは、何かスポーツでもやっているのかも知れない。
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