ラヴ・ミー・テンダー
「私も…」

私は口を動かすと、
「私も、武智さんーーあなたのことが好きです…」
と、自分の気持ちを伝えた。

武智さんは一瞬だけ驚いたと言うように目を見開いた後で、すぐに微笑んだ。

「ありがとうございます」

武智さんはお礼を言った後で、
「俺、とても嬉しいです」
と、笑顔で言った。

「私も、嬉しいです…」

そう呟いた私も笑顔だっただろう。

武智さんに“好き”だと言われたことと両思いだったことがとても嬉しかった。

今までにもつきあった人はいたけれど、今回が1番嬉しいかも知れない。

「佃さん」

武智さんが名前を呼んだ。

「はい」

返事をした私に武智さんは微笑むと、
「よろしくお願いします」
と、言った。

「はい、こちらこそよろしくお願いします」

私は笑顔で返事をしたのだった。
< 84 / 155 >

この作品をシェア

pagetop