ラヴ・ミー・テンダー

芽実はおろか、日生にも嫌われていたと言うその事実に私は何も言うことができなかった。

「どこのエリートだかよくわからないけれど、陽葵姉ちゃんのことをバカにしてる感じが嫌だったんだよねー」

「やっぱり！？

私もそう思ってた！」

「だよねだよねー」

ガハハと笑いあっている妹弟の姿を見ながら、私はビールを口に含んだ。

「それで最後はやらかしたんでしょ？

本当にバカだよねー。

３歩歩けば忘れるニワトリの方が全然頭いいじゃんって話だよ！」

「ホントよねー」

…私は私で何とも言えないよ。

「それで陽葵姉ちゃんの彼氏って、どんなヤツなの？

芽実姉ちゃんは会ったことあるんでしょ？」

日生が話題を戻した。