慟哭、禁断の果てに
私は天涯孤独

母は私が小学生のとき、自死した。
理由は知らない。
小学生の小さな子供を残していなくなるんだ

親の身勝手としか思えない

父の顔は覚えてない
写真も一枚もない。

母に一度だけ聞いたことがあった。
子供ながらに不思議だったから

周りはお父さんがいたのに、どうして私はいないのか

母の顔は曇った
そして、ひどく悲しい顔をした。

だから、それ以来口にはしなかった

聞いてはいけないことなんだ、そう思ったから。

母がいなくなってからは、祖母に引き取られて育てて
もらった。
貧しかったけど、祖母は笑顔を絶やさずいつも私の
為に身を粉にして働いてくれた

”舞ちゃんの幸せがお婆ちゃんの幸せよ”

それが口癖だった。


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