慟哭、禁断の果てに
和宏さんはテーブルの上で、指先を絡めるように
手を置いていた

その指先に触れたい

その指先で触れて欲しい

アーモンド型の綺麗な爪、細くはないけどゴツゴツも
していない指

右腕には黒の文字盤のお洒落な時計
仕事の時とは違う腕時計に、シックな黒のニットが
よく合う

「舞ちゃん?どうかした?」

あ、ヤバイ。
ガン見しすぎたかも、、、


「あ、いえ、なんでもないです。」

慌てて目を逸らした
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