慟哭、禁断の果てに
それから毎日のように和宏さんはやって来た

時間帯はバラバラ

朝一だったり、外回りの時間帯だったり、夜だったり、

でも、私がそのドアを開けることはなかった


ドレッサーの引き出しに箱のまましまわれた、あの日の
ネックレス

一度も私の首もとを美しく見せることなく、外の世界へ
飛び出すこともなく、

真っ暗な狭い場所で、じっと辛抱強く待つだけ

< 66 / 126 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop