君に何度でも会いに行くよーー
「会いに行かなきゃーーっ。
世良に会いに行かなきゃ。

会いたい!
私、世良に会いに行くよ」


パァン!!


私がそう叫んだ時、頭の中が弾けた。

強い音と、共にーー目を開けた。



白い天井。
微かに残る薬品の匂い。

どこーーーーーー?


私はーーーーーー。



ガラッ。


「あ、仁乃深鈴さん。
深鈴さん、わかりますか!?

助かりましたよ!」

頭に巻かれた包帯。
身体中、つけられている機械。


「あ、世良に会いに行かなきゃーーっ。」


私は、ベッドから降りようとした。

「ダメよ。

世良?世良って一緒にいた男の子かな?
あの子なら、先程ーーーー」


えっーーーー?

今、なんて言ったの?

私の聞き間違い?

「あの、今なんてーーーーっ」











「先程ーーーー亡くなりましたよ」











えっーーーーーーーーーー?



世良が、、死んだ?


事故にあったのは、、私。


世良が、死ぬ訳無いじゃん。


聞き間違いだよ。

ねえ、嘘って言ってよ。


「あなたが事故に遭う瞬間を、見た人から聞いたの。 あなたを助けようと、道路に飛び出した彼は、あなたを助けようとしてーーーー命を落とした。

即死状態でもおかしく無いのに、あなたに手を伸ばして、囁いていたそうよ。


"もう、迎えに来なくていいから、会いに来ないで"

そう、言ってそのまま。」


嘘ーー。


私が、何度も会いに行ってた世良はもうーーーー。
死んでいたの?

だから、会いに来ないでって言ったのーー?

待ってるって言ったじゃん。
嘘つきだ。

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