エメラルドの祝福~願えよ、さらば叶えられん~
修行の毎日
王太子妃候補となったベリルは毎日のように城に通い、王妃教育を受けることとなった。
「やあ、待っていたぞ、シンディ」
両手を広げて出迎えてくれたのは、ローガン王子だ。今日も端整な顔で豪華な貴族服を着こなしている。
しかし、その笑顔を見て、ベリルは思わず立ち止まって顔をしかめてしまった。
自意識過剰なのかもしれないが、ベリルを見回す目がなんとなくいやらしい。
脇に控えていたコネリーが、「王子、執務がございますから手短に」と言ったのでずっと一緒ではないのだとホッとする。
「せっかく婚約者が来たというのに、おまえたちは気が利かない」
「シンディ様にも覚えていただくことがたくさんあるんです。後ほど、昼食の準備をさせていただきますので、その時に」
「あ……はい。ありがとうございます」
軽く会釈し、ベリルはやって来た侍女に引き取られた。
どうもローガン王子は苦手だ。コネリーのほうが礼儀正しく、話していてもホッとする。
「シンディ様、こちらでございます。王妃様もお待ちかねでございますよ」
侍女に案内され、ベリルは応接室に通された。花柄の壁紙に、絢爛豪華な設えが施されている、温かみがある部屋だ。中には、王妃様と侍女がいて、シンディをみると、柔らかい微笑みを浮かべた。
心臓が飛び出すのではないかと思うほど、早鐘を打つ。
「やあ、待っていたぞ、シンディ」
両手を広げて出迎えてくれたのは、ローガン王子だ。今日も端整な顔で豪華な貴族服を着こなしている。
しかし、その笑顔を見て、ベリルは思わず立ち止まって顔をしかめてしまった。
自意識過剰なのかもしれないが、ベリルを見回す目がなんとなくいやらしい。
脇に控えていたコネリーが、「王子、執務がございますから手短に」と言ったのでずっと一緒ではないのだとホッとする。
「せっかく婚約者が来たというのに、おまえたちは気が利かない」
「シンディ様にも覚えていただくことがたくさんあるんです。後ほど、昼食の準備をさせていただきますので、その時に」
「あ……はい。ありがとうございます」
軽く会釈し、ベリルはやって来た侍女に引き取られた。
どうもローガン王子は苦手だ。コネリーのほうが礼儀正しく、話していてもホッとする。
「シンディ様、こちらでございます。王妃様もお待ちかねでございますよ」
侍女に案内され、ベリルは応接室に通された。花柄の壁紙に、絢爛豪華な設えが施されている、温かみがある部屋だ。中には、王妃様と侍女がいて、シンディをみると、柔らかい微笑みを浮かべた。
心臓が飛び出すのではないかと思うほど、早鐘を打つ。