エメラルドの祝福~願えよ、さらば叶えられん~
ベリルは息をのむ。ここまでの会話で、薄々感づいていた。
コネリーがアンドリューをローガンと呼ぶからには、彼はローガンなのだろう。ということは今王太子だと言っているローガンは別人なのだ。たとえ、見た目には偽ローガンのほうが王妃様にそっくりだとしても。
普通ならば信じられるはずがないが、それはベリル自身にも起きたことなのだから信じられないはずがない。
「……もちろんです。今のローガン様は、本当のローガン様ではないんですね?」
神妙な顔で告げたベリルに、コネリーとアンドリューは息をのむ。そして顔を見合わせて眉を寄せた。
「のみ込みが早すぎないか?」
「そうですね。私もさすがに驚きました」
ふたりの戸惑い交じりの視線を感じつつも、ベリルは必死だった。
味方となりえる人物がいるのならば、このふたり以外にはあり得ない。
「どんな話も信じます。その代わり、私の話も信じてください。私、本当はシンディではありません。私の名はベリル・ブラッドリー。――シンディの妹なのです!」
アンドリューことローガンが驚きに目を見開いた。
「まさか……君も顔が入れ替わったのか?」
彼のつぶやきに、ベリルはホッとした。重苦しく心にのしかかっていた秘密を、ようやく明かせる人間と出会えたのだから。
コネリーがアンドリューをローガンと呼ぶからには、彼はローガンなのだろう。ということは今王太子だと言っているローガンは別人なのだ。たとえ、見た目には偽ローガンのほうが王妃様にそっくりだとしても。
普通ならば信じられるはずがないが、それはベリル自身にも起きたことなのだから信じられないはずがない。
「……もちろんです。今のローガン様は、本当のローガン様ではないんですね?」
神妙な顔で告げたベリルに、コネリーとアンドリューは息をのむ。そして顔を見合わせて眉を寄せた。
「のみ込みが早すぎないか?」
「そうですね。私もさすがに驚きました」
ふたりの戸惑い交じりの視線を感じつつも、ベリルは必死だった。
味方となりえる人物がいるのならば、このふたり以外にはあり得ない。
「どんな話も信じます。その代わり、私の話も信じてください。私、本当はシンディではありません。私の名はベリル・ブラッドリー。――シンディの妹なのです!」
アンドリューことローガンが驚きに目を見開いた。
「まさか……君も顔が入れ替わったのか?」
彼のつぶやきに、ベリルはホッとした。重苦しく心にのしかかっていた秘密を、ようやく明かせる人間と出会えたのだから。