エメラルドの祝福~願えよ、さらば叶えられん~
「では、……いっそ忍び込んでくるのを待つ方が得策かもしれませんね」
「予定は三日後だ。学者たちが住み込んでいる居住棟があるだろう。そこに忍び込むつもりらしい」
「居住棟に……?」
コネリーは視線を巡らし、考え込むように仕草をした。
「あそこに金目のものなんてありますかね。少し調べてみます。でも、これ以上巻き込まれるのは危険ですから、城に戻られたのは正しい判断かと思います」
「城は城で、この顔である以上は危険だがな。だが、ベリル殿を守る意味でも、悠長にもしていられないだろう。お互いの入れ替わった顔を元に戻せないか試したほうがいい」
「それはそうですね。指輪自体はこちらの手にあるわけですし」
「あ、でも……」
ベリルは、シンディとの間で一度試したが、元には戻れなかったことを伝えた。
ローガンとコネリーは顔を見合わせ考え込む。
「だが、一度は試してみるべきだろう」
「そうですね。準備が整うまでの間、ローガン様にはここで身を潜めていただくことになりますが」