水鏡~すいきょう~
翌日、冬夜はいつも通りに出勤して来た。
まるで何事もなかったかのように…。
ただ、あれ以来、遙と2人きりにならないようにしているようだった。
「先輩?」
ぼんやり思い出していると、幸太が不思議そうに遙の顔を見つめていた。
「あ...ごめん、ごめん」
必死に笑顔を作ると、幸太がそっと遙の頬に触れる。
「遙先輩、僕の前では無理して笑わなくて良いんだよ。
僕は、どんな遙先輩だって受け止めますから」
無邪気な笑顔を浮かべ幸太が呟く。
「幸太...」
泣き出しそうになるのを誤魔化す為に、幸太のオデコを軽くデコピンして
「幸太の分際で生意気!」
そう言って笑った。
幸太は口をへの字にして
「もう!遙先輩はいつまで経っても僕を子供扱いするんだから!」
と叫び、勢い良く席から立ち上がると
「遙先輩、これだけは忘れないで下さいね。
僕は、遙先輩だけの騎士(ナイト)になるって決めたんです!
だから、例え遙先輩がどんな姿になったって、世界中の人が遙先輩の敵になったとしても、僕だけはずっと遙先輩の味方ですから!」
そう叫んでガッツポーズをして自席へと戻って行った。
時刻は8:30
「おはようございま~す」
事務職のリーダー、相田紀子が出勤して来た。
「おはよう」
笑顔で答える遙に
「あ、そうそう。
日下部さん、そこの公園で猫にまみれてましたよ~」
くすくす笑いながら、出て行ったきり戻らないカメラマンの所在を紀子が伝える。
「あの馬鹿~~~」
遙が机を叩くと
「幸太!」
と叫んだ時にはもう
「冬夜さんを猫から取り戻して来ます」
そう言いながら、幸太は冬夜を呼びに走り出していた。
この時はまだ、いつもと変わらない毎日がずっと続くものだと思っていた──────
まるで何事もなかったかのように…。
ただ、あれ以来、遙と2人きりにならないようにしているようだった。
「先輩?」
ぼんやり思い出していると、幸太が不思議そうに遙の顔を見つめていた。
「あ...ごめん、ごめん」
必死に笑顔を作ると、幸太がそっと遙の頬に触れる。
「遙先輩、僕の前では無理して笑わなくて良いんだよ。
僕は、どんな遙先輩だって受け止めますから」
無邪気な笑顔を浮かべ幸太が呟く。
「幸太...」
泣き出しそうになるのを誤魔化す為に、幸太のオデコを軽くデコピンして
「幸太の分際で生意気!」
そう言って笑った。
幸太は口をへの字にして
「もう!遙先輩はいつまで経っても僕を子供扱いするんだから!」
と叫び、勢い良く席から立ち上がると
「遙先輩、これだけは忘れないで下さいね。
僕は、遙先輩だけの騎士(ナイト)になるって決めたんです!
だから、例え遙先輩がどんな姿になったって、世界中の人が遙先輩の敵になったとしても、僕だけはずっと遙先輩の味方ですから!」
そう叫んでガッツポーズをして自席へと戻って行った。
時刻は8:30
「おはようございま~す」
事務職のリーダー、相田紀子が出勤して来た。
「おはよう」
笑顔で答える遙に
「あ、そうそう。
日下部さん、そこの公園で猫にまみれてましたよ~」
くすくす笑いながら、出て行ったきり戻らないカメラマンの所在を紀子が伝える。
「あの馬鹿~~~」
遙が机を叩くと
「幸太!」
と叫んだ時にはもう
「冬夜さんを猫から取り戻して来ます」
そう言いながら、幸太は冬夜を呼びに走り出していた。
この時はまだ、いつもと変わらない毎日がずっと続くものだと思っていた──────