先輩の恋人 ~花曇りのち晴れ渡る花笑み~
「花笑がいなくても別れてただろうな」
フッと笑ってウイスキーを飲む。
「やっぱり?私もそう思う」
「やっぱりって、わかってんなら聞くなよ」
「聞いてみたかったのよ」
操はクスクス笑いながら目を伏せた。
「あの子のこと好き?」
何を聞くんだと思わず操の顔を見つめる。
「答えて」
見つめ返してきた瞳は揺らいでいた。
「…ああ、好きだよ。俺がずっと傍にいて、守ってやりたいと思うくらいには」
「アハハッ、やだ何それ、のろけ?」
笑われて憮然となる。
「お前が聞いたんだろうが」
「…じゃあ、最後の質問。」
急にまじめになり見つめられる
「私のことは好きだった?」
少し考え答えた。
「………ああ、好きだったよ、それなりに。」
「フッ、それなりに、か。それが私とあの子の違いよね…」
目を伏せそう言い、操は立ち上がった。