先輩の恋人 ~花曇りのち晴れ渡る花笑み~
「あ、私結婚する事になったから。お相手は橋本不動産の御曹司。」
「は?結婚?」
「そ、結婚したら仕事も辞めて専業主婦になるの。だからもうこうやって会うことも無くなるわね。じゃ、彼女によろしく。」
そう言ってスタスタと帰って行った。
驚いたがもう別れてから2年以上経っている。
操も前に進んでいるということか。
結婚か…。
やっぱり操とは切磋琢磨する間柄だな、と、改めて思った。
家に帰ると、メールが来てたことに気が付き見てみると、花笑からだった。
今日、置田に連れられ操に会ったこと。操が何もしてなかったこと。
部署移動は操の計らいだったことが書いてあり、誤解したままずっと避けてたことを後悔していた。
あんなに避けていた操に会うのは、相当勇気がいっただろう。
よく頑張ったな、と返信をすると
[今は置田君にも操さんにも感謝してる。
これから堂々とこうくんを好きでいられることが嬉しい。噂にももう負けない。]
それを見て口元が緩む。
素直に好きだと言い、少し強くなった花笑がいじらしくて、今すぐ会いに行って抱きしめたいと思った。
俺は、いつのまにか相当花笑に惚れてるようだ。