先輩の恋人 ~花曇りのち晴れ渡る花笑み~
「う、くるし…」
「フッ…」
腕を緩められて見上げると優しい顔で私を見る航さん
「お、おはよ、航さん」
「おはよう」
そう言ったのにまた目を瞑り、腰に回っていた手がゆるゆると這い回り下へ降りていく。
「や、航さん?」
「あぁ、すべすべで気持ちいいな。」
恥ずかしくて顔が赤くなって動き回る手を抑えた。
「ヤダもう!はずかしい」
ピタッと動きは止まったけど今度は鼻にキスされた。
もう!と思って顔を見ると意外と真剣な顔で見つめられ言葉に詰まる。
「腰は辛くないか?」
「う、うん…」
そんなこと聞かれて昨日のことが思い出されてますます赤くなった。
クツクツ笑われて思わず睨むと、そんなのお構いなしに今度はキスの嵐が降ってくる。
眉間に、鼻に、額に、こめかみに、頬に、唇に、耳に…
くすぐったくて笑いが漏れると、体を起こした航さんに組み敷かれ深い口づけに変わる。
「花笑、愛してる…」
見つめ合い、キスの合間に紡がれる言葉が体中に走る電流と共に駆け抜ける。
この時が愛しくて、溢れる思いを腕に込め、ギュッと広い背中を抱きしめた。
私も、私もだよ…世界中のだれよりも…
「愛してる…航…」