先輩の恋人 ~花曇りのち晴れ渡る花笑み~
あわてて駆け寄ると、すごい光景が!
山片課長に抱き抱えられ、日野さんが両頬を包んでペシペシ叩いて呼び掛けて置田くんがおろおろしてる。
西川さんはイケメンたちに囲まれて気を失っているよう。
他の人達も遠巻きに思わず見とれていた。
なんてうらやましい…
じゃなくって!
我に帰って駆け寄ろうとしたら後ろから肩を叩かれた
「どうしたの?」
花笑さんが騒ぎを聞き付けて今来たみたい。
「なんか西川さんが倒れたみたいです」
花笑さんが視線を移してあの光景を見たとたん絶句。
「……コウくん」
と小さな声でつぶやいた。
コウくん?
はっと我に返った花笑さんがちょうど西川さんを抱き上げた山片課長に駆け寄った。
「医務室に連れていく」
「わっ私が付き添います」
「は・・、ああ、頼む」
山片課長に話しかけて、花笑さんは日野さんと目を合わせて一つ頷き合うと、先に行った山片課長についていった。
「あれ、あれ、おっお姫様抱っこ…」
野次馬達が我に帰り呟いた。周りがざわざわしてる。
確かにあれはお姫様抱っこ…美男美女だからすごく絵になる。
山片課長がなんだかいつにもましてかっこよく見えた。