先輩の恋人 ~花曇りのち晴れ渡る花笑み~
早朝、
手の痛みで早くに目が覚めると横の温もりに癒され、まだ眠っている花笑の流れる綺麗な髪を弄ぶ。
ふと、腕を見るとうっすら青くなってるのが見えた。
昨日は気が付かなかったが、ひったくりにぶつかった時のか?
「やっぱり花笑も怪我してたんじゃないか…。」
ボソッと呟きそっと腕に触れ、花笑の寝顔をまじまじと見る。
この様子だと軽い打撲程度だと思うが、自分のことより他人を優先する花笑。
俺を心配して泣くこいつが愛おしくて仕方ない。
昨日から溢れる暖かいものは、愛情…。
これが幸せってやつか…。
肩まで布団を掛けてやり、花笑の額にキスをして抱き寄せた。
こいつを守りたい。俺が、一生を賭けて・・・。
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その日行った病院で全治3週間と言い渡され、意外に重症で自分でもびっくりした。
花笑には「やっぱり重症だったじゃない‼」と涙目で怒られたが、怪我の功名というのか、花笑には完治するまで俺の家に泊まって世話をしてくれる事になった。
それからまだ3日しか経ってないが、朝から晩まで、仕事まで一緒でも、居心地が良くて、先に帰った花笑が「お帰り」と笑顔で俺を出迎えてくれた時には思わず抱き締めた。
花笑といる毎日は穏やかで心が満たされていく。
ずっと、こんな毎日が続けばいい。
いまだ掃除をしながら鼻歌を歌っている花笑を見ながら強く思った。