先輩の恋人 ~花曇りのち晴れ渡る花笑み~

夜、
会場には総勢20名ほどの坂上食品の社員が集まり歓迎会という名の飲み会が始まった。
この会社は飲み会が好きらしい。最初は歓迎の意を表していた社員達も、今じゃただのどんちゃん騒ぎ。
豪快な社長も羽目を外しているようだ。

「どうだいうちの綺麗どころは!なんなら嫁にもらってくれてもいいんだよ!がっはっはっ」

俺と日野の周りには若い女性が取り囲んでいていわゆるハーレム状態。質問攻めに合っている。

「日野さん素敵!」
「付き合っている人いるんですか?」
「私なんてどうですか?」

ここの女性達は積極的らしい。日野も満更でもなさそうに鼻の下を伸ばしている。

俺はというと、

「山片さん背が高いですね」
「逞しくて素敵」
「どんな女性が好みですか?」

なかなか煩い…。
返事半分で酒を飲んでると、つまんなかったのか段々離れていき今度は男性陣が寄ってきて仕事の話や柔道をやっていたとポロっと溢したらその話で盛り上がった。
その間もずっと隣で動かずに、つまんない話だろうにニコニコと聞いている女の子がいた。
ほんわかした雰囲気が花笑に似ているなと、何かの拍子に会話してから度々盛り上がった。

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