先輩の恋人 ~花曇りのち晴れ渡る花笑み~

「な、なんで夏野さんが出てくるんですか~。…はぁ、いや、可愛い後輩とは思ってますよ。目がハートで愛らしいというか‥‥」

「なんだ、気づいてたのか?」

おっと、今のは失言だったか…思わず口を押えて日野の様子を見る。

「そりゃあ、隠してるつもりみたいだけど、感情ダダ漏れというか…松崎が山片さん見るときの目と一緒ですよ」

「はあ?なんだそれは?よくわからん」

「何言ってんですか、松崎が山片さん見るときはいっつも目がトロンとしてハート型になってますよ、くっきりと!」

「くっきりと」をやけに強調してるがそうなのか?
花笑の顔を思い浮かべる。
…うん、ハート型はわからんが、トロンとした表情ならわかる気がする…

「山片さんもそんな顔するんですね…」

俺の顔をまじまじと見て言ってくる。

「あ?」

「今、松崎のこと思い浮かべてたでしょ。目がハートになってましたよ」

「んなわけあるか!」

「いや、本当ですって!普段の顔と全然違いますよ!鏡見てくださいよ!」

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