先輩の恋人 ~花曇りのち晴れ渡る花笑み~

「鏡なんか見るか!」

俺の突っ込みに怯んだ日野に追い討ちを掛ける。

「そうゆうお前はどうなんだよ。」

「いや、どうかな?自分でもわかんないんですけど、可愛い後輩以上の感情があるのかな?」

う~んと唸りだした日野。
ふーん、以外と悩んでるらしい。というか、悩み方が俺と似ているのは偶然か?

「じゃあ、夏野が他の男と付き合うことになったらどうする?例えば…置田とか」

「えっ置田ですか?確かにあいつら同期で仲はいいようですけど…」

想像しているのか黙り混んでいたが、段々顔が険しくなってきた。

「いや、何かそれは嫌だな…」

呟くように言った言葉にニヤリとする。
なんだよ日野、やっぱり俺と同じじゃないか…。
得意気に問いかける。

「答えはもう出てるんじゃないか?」

まだ悩んでるようだが、後は本人達に任せよう。
夏野の片恋がバレたが既に日野は気づいてたから約束違反じゃないだろう。
思わぬ形でアシストしてやったから許せ、夏野…。

丁度タクシーがホテルに着いてその日は解散となった。


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