先輩の恋人 ~花曇りのち晴れ渡る花笑み~
「私のせいで壊れてしまったから、修理に出してたの。昨日丁度直ったって連絡が来て。こっちは私を守ってくれたお礼。」
あの時ぶつけて壊れてしまった腕時計。
割れてしまったガラスは取り替えられ、側面の傷も少し残ってるものの目立たなくなって綺麗になって戻ってきた。
航さんがその時計を見つめふっと笑う。
「この時計、俺の就職祝いに親から贈られたものなんだ。結構気に入っていたから今まで使ってたんだが、修理するなんて考えてなかったな…ありがとう花笑。」
優しい眼差しで私を見つめる航さんに嬉しくてにっこり笑い返した。
「そんな大事なものだったなんて…よかった修理して。また大事に使って?」
「ああ、そうする…」
抱きしめられ、キスをして、立ち上がる航さんに手を引かれ寝室に戻る。
ベッドにゆっくり押し倒された。
「航さん?」
「まだ朝早いだろ…」
キスの雨が降ってくる。
くすぐったくてフフッと笑いが漏れた。キスを止め甘い顔のまま見つめてくる航さん。
「花笑、愛してる。二人で幸せになろう」
「はい、航さん…」
二人で微笑んで見つめ合い、濃厚なキスに蕩け抱き合った…。
航さんと二人だったらもっともっと笑顔になれる。
これだけは自信を持って言えるよ、航さん。
二人で幸せになろうね…。