先輩の恋人 ~花曇りのち晴れ渡る花笑み~
インターフォンを鳴らし、出てきたお義母さん。
「まあ!いらっしゃい!航君お久しぶりねぇ!立派になって!」
出てきた途端、上機嫌に捲し立てるお母さんにタジタジになりながら挨拶をする。
「お久しぶりです。ご無沙汰してます。」
「そんな固い挨拶いいから!さ、上がって。お父さんもお待ちかねだから!」
頭を下げる俺に、入るよう陽気に促し先にリビングに入っていく。
花笑と思わず目を合わせ苦笑いし、後に続いた。
リビングに入るとソファーに座っているお父さん。
「花笑、ちょっと手伝って!」
「はぁい」
花笑がお母さんに呼ばれキッチンに入っていく。
一人残され所在無さげになってしまった俺に、お義父さんが声をかけた。
「突っ立ってないで座りたまえ」
「あ、はい。失礼します」
「・・・・」
前のソファーに座り、目を合わせるも眼鏡を光らせ無言のお義父さん。
やっぱり苦手だ・・・。
「ご無沙汰してます。今日はお時間をとって下さりありがとうございます。」