先輩の恋人 ~花曇りのち晴れ渡る花笑み~

挨拶をして頭を下げるとちょうど花笑とお義母さんが紅茶とケーキを持ってきた。
一通り並べて、お義母さんはお義父さんの横に、花笑は俺の横に座り落ち着いた。
意を決して話し出す。

「今日はご報告とお許しをもらいに来ました。今、花笑さんと真剣に交際しています。・・・結婚したいと考えています。どうか花笑さんを俺にください。お願いします」

深く頭を下げ反応を待つ。

「ほんとなのね~花笑から付き合ってるって聞いたときはびっくりしちゃった!昔あんなに好き好き言ってた花笑の初恋が実ったのね!よかったわね?花笑」

「お、お母さん!」

無言のお義父さんの代わりにお義母さんが声を上げる。
顔を上げると花笑は恥ずかしいのか顔を真っ赤にしている。

「・・・いつからだね?」

「え・・」

「いつから付き合っている」

反応の遅れた俺に言い直したお父さん。

「正式に付き合いだしたのはここ3ヶ月くらいです」

「3ヶ月・・・家庭教師をしていたときは?」

中3の花笑に手を出してたのか?と、聞きたいらしい。

「いえ、その頃は全く。職場で再開してからです。」

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