先輩の恋人 ~花曇りのち晴れ渡る花笑み~
ドキドキの出会い
花笑Side
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次の週末
小春日和の今日、今度は私が緊張する番。
航さんのご実家は車で5時間ほどの海沿いにある港町。
大学が私の実家のある町にあり、一人暮らしをするにあたり家庭教師のバイトをするようになって私達は出会った。
今日は気合いを入れておしゃれしてきた。
コンタクトをし、髪を下ろして、清楚系のワンピースに薄手のコート。少しでも印象良くご家族に見られたらいいなと思う。
航さんは薄手のニットにGパン、アウターはジャンパーとラフな格好。自分の実家に帰るのだからいいんだけど……、と思いつつ、道中ひとときのドライブを楽しんでいた。
けど、坂道を上り見えてきた港町にもうすぐ航さんのご家族に会うのだと思うとドキドキと心臓が鳴り出して言葉数も少なくなってきた。
「はぁ、緊張する…」
「ふっ、花笑が緊張することはないぞ。うちは既に大歓迎だからな。早く会いたくて連れて来いとうるさかったから」
「でも、ドキドキし過ぎてなんか失敗しそう…」
「花笑」
丁度赤信号で車は止まり、航さんに呼ばれ向くと、すっと手が伸びてきて私の首が引き寄せられ、チュッとリップ音。
「花笑が心配することは何もない。お前はいつものように笑っていればいい」
「航さん…」
私を安心させてくれる航さん。また引き寄せられ重なる唇。いつの間にか胸のドキドキもおさまっていた。
ププーッ!
車のクラクションでハッとして離れた。
航さんはちょっと焦って車を発進させる。
「やべぇ、つい…」
「やだもう、後ろの人絶対気付いてるよね…」
真っ赤になって今度は違うドキドキで心臓が痛い。
助手席にうずくまり頬を隠す。
航さんはそんな私を横目で見て笑ってる。
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次の週末
小春日和の今日、今度は私が緊張する番。
航さんのご実家は車で5時間ほどの海沿いにある港町。
大学が私の実家のある町にあり、一人暮らしをするにあたり家庭教師のバイトをするようになって私達は出会った。
今日は気合いを入れておしゃれしてきた。
コンタクトをし、髪を下ろして、清楚系のワンピースに薄手のコート。少しでも印象良くご家族に見られたらいいなと思う。
航さんは薄手のニットにGパン、アウターはジャンパーとラフな格好。自分の実家に帰るのだからいいんだけど……、と思いつつ、道中ひとときのドライブを楽しんでいた。
けど、坂道を上り見えてきた港町にもうすぐ航さんのご家族に会うのだと思うとドキドキと心臓が鳴り出して言葉数も少なくなってきた。
「はぁ、緊張する…」
「ふっ、花笑が緊張することはないぞ。うちは既に大歓迎だからな。早く会いたくて連れて来いとうるさかったから」
「でも、ドキドキし過ぎてなんか失敗しそう…」
「花笑」
丁度赤信号で車は止まり、航さんに呼ばれ向くと、すっと手が伸びてきて私の首が引き寄せられ、チュッとリップ音。
「花笑が心配することは何もない。お前はいつものように笑っていればいい」
「航さん…」
私を安心させてくれる航さん。また引き寄せられ重なる唇。いつの間にか胸のドキドキもおさまっていた。
ププーッ!
車のクラクションでハッとして離れた。
航さんはちょっと焦って車を発進させる。
「やべぇ、つい…」
「やだもう、後ろの人絶対気付いてるよね…」
真っ赤になって今度は違うドキドキで心臓が痛い。
助手席にうずくまり頬を隠す。
航さんはそんな私を横目で見て笑ってる。