先輩の恋人 ~花曇りのち晴れ渡る花笑み~
航、光、晃
名前じゃなくて漢字読みをあだ名にして読んでたとか?
「まさか!」
「たまにいるよ、そうゆうふうに呼んだりすること。名前が長かったり、呼び名を気に入らなかったり、…他の人と差をつけて呼びたい時とか」
「……」
「恋人とか特別感出したい人なんかそうしたりするんじゃない?」
もし、そうだとして、
もし、日野さんじゃなかったとして……
山片課長?
あんな鬼課長怖くて近寄れない。優しくしてるところを想像してみるけど、
鬼課長が角を生やして、低い声で「ウハハハハ~!」と悪い顔して笑ってる。
「きゃあ~~っ」と悲鳴を上げて花笑さんが虐げられてるところしか思い浮かばない!
ブルブルブルっと頭をふってイメージを消す。
「何?突然頭振って?」
ボーッとしてたと思ったら急に頭を振りだすから里美がびっくりして聞いてくる。
「ううん、ちょっと課長と花笑さんを想像してみたんだけど」
「うん、それで?」
「悪いイメージしか思い浮かばない…」
「そうなの?じゃあもう一人は?」
「置田くん?うーん…」