先輩の恋人 ~花曇りのち晴れ渡る花笑み~
「男の人ってわからないな…。好きな人がいるのに違う人と付き合ったり、喧嘩してるみたいなのに笑いあったりして…」
「ん?喧嘩?」
顔を上げ航さんを見ると自覚してないのか解ってない様子。
「さっきもそうだけど海斗さんやお友達と話してるとき喧嘩腰でちょっと怖かったんだけど…」
「…ああ、花笑は一人っ子だからな…。男兄弟なんてこんなもんだ。男友達も同じだ、喧嘩してるわけじゃない。」
そう言って笑う航さん。
そういうものなのかな…?
「そういえば、海斗さんが貴章さんはやんちゃしてた時の悪友って言ってたけど、どういうこと?」
「…海斗の奴、余計なことを…」
小さく呟いて目を合わせないようにしてたけど、私がじっと見つめるからか、ちらりと見て諦めたようにため息をついた。
「貴章と正晴は同じ商店街で育った幼馴染みだ。生まれた時から高校まで一緒。腐れ縁という奴で何かとつるんでたんだが……、俺は昔からデカかったしあいつらも、良くも悪くも目立ってたから何かと因縁つけられたり………まあ、色々と。貴章は喧嘩っ早いし、俺も正晴も黙っているようなたまじゃないからな。そういうことだ。」
「色々と?」
引っかかる言葉を上げてまた航さんを見つめると気まずそうに目を逸らし白状した。