先輩の恋人 ~花曇りのち晴れ渡る花笑み~
入ってきたのは正晴さん。
はぁ~っと航さんが大きなため息をつく。
「何楽しい事やってんの~?俺も混ぜろ~」
正晴さんも加わって高校時代の話をたくさん教えてくれた。
航さんはしきりに止めるけど二人の話は止まらない。
貴章さんも正晴さんも家業を継いでこの商店街に居る。
航さんだけこの街から出て行って、会うのは年に数回だそうだけど、言いたいこと言い合ってるのは仲がいい証拠なんだなと理解した。
因みに正晴さんはいまだに独身。
「俺、まだまだ遊んでたいから」という理由らしい。
この3人の中で一番女好きで手が早かった。と航さんが教えてくれた。だからあいつには近づくな…と忠告も。
たくさん航さんの事が聞けて楽しかったけど、気が付いたらお昼過ぎ。
そろそろ帰らないと、と名残惜しく感じながらも貴章さんたちに別れを告げた。
「またいつでも来いよ。花笑ちゃんだけでもいいよ」
そう言って笑う貴章さんたち。
航さんは面白くなさそうな顔してたけど、航さんの親友と仲良くなれて嬉しかった。
「はい!是非!」