先輩の恋人 ~花曇りのち晴れ渡る花笑み~
家に帰るとお昼御飯が用意されてて、何から何までいたせりつくせりで恐縮した。
お昼をおいしく頂き帰る支度をして下へ降りるとお店は忙しそうだった。
私達のことを聞きつけてご祝儀代わりに食べに来てくれたらしい。
何もお手伝いしないですいませんと言うと、
「何言ってるの!お客さまなんだから気にしない!おかげで繁盛してるのよ、花笑さんのおかげよ~」
と笑ってくれた。
忙しそうなお義父さん海斗さんに挨拶をして、おめでと~と声をかけてくれるお客さんにお礼を言って外へ出た。
「また来てね。今度は花笑さんのご両親にも挨拶しなきゃね。」
「はい、ぜひ。よろしくお願いします」
「お袋、忙しいだろ?ここでいいよ。じゃ、またな」
「はいはい。気を付けてね!」
会釈をし車に乗り込み出発。
お義母さんに手を振って商店街が見えなくなると、はぁ~とため息をついて助手席に背を預ける。
「疲れたか?」
「ううん、すごく楽しかった。すっごく濃い二日間だった気がする」
航さんの家族に会って、たくさんの人達がお祝いしてくれて、航さんの親友とお知り合いになれて過去も知れて、航さんに恋する人にも会って・・・・目まぐるしい二日間だった。
「また、遊びに行こうね。あの人たちに会いに。この海を見に…」
「ああ…そうだな」
海沿いを走る車から、広い海を見つめた。