先輩の恋人 ~花曇りのち晴れ渡る花笑み~
思わず噴き出した俺を会議室の連中が驚きの顔をして見ている。
「ゴホン・・・」
咳払いしてじろりと睨んだら目を逸らす面々。
花笑が不思議そうに俺の顔を見るからこっそりスマホの画面を見せてやった。
「あ…ふふっ」
頬をを高揚させ口元を押え嬉しそうに笑う花笑。その姿を見てもう一度スマホに目をやった。
そこには、[どうだ!]というメッセージと、得意そうに笑う海斗の自撮り。その隣には恥ずかしそうに笑う雅美が寄り添っている。二人の首元にははっきりとキスマークまで付けて。
うまくやったみたいだな、海斗。
二人で目を合わせて微笑んだ。
「かちょ~会議室でラブラブモードは止めてくださいよ~。独り身には目の毒です~」
小山が情けない声を出す。
花笑は顔を真っ赤にして俯いてしまった。
「うるさい!もう休憩はいいな?始めるぞ!」
「え~~っ、せめてあと5分!」
「小山さんが余計なこと言うから~」
みんなから非難囂々の小山を尻目に容赦なく会議を再開した。
今日は気分がいい…。
その後の会議がはかどった。