先輩の恋人 ~花曇りのち晴れ渡る花笑み~

「ご、ごめんなさい」

私も航さんが他の女性に触られてたりしたらやだ。
今まで散々嫌な思いをしてきたのに航さんにも同じ思いをさせてしまったと反省。

「わかったならいい。帰るぞ」

「え、でもまだパーティーが……」

言いかけて急に顔を上げたから目が回ってよろけた。
航さんにすかさず抱き止められ転ばずに済んだけど、少ししか飲んでないのに酔いが回ってるらしい。

「やっぱり酔ってるな…。パーティーはもう終盤だ、挨拶回りも終わった。帰っても問題ない。…ったく、あいつにその顔見られてたと思うとムカつくな」

「え?」

「お前、もう外では酒飲むの禁止な?飲み会も禁止だ。また誰に狙われるかわからん」

「え~っそんなぁ、知佳ちゃんと一緒ならいいって言ったのに!」

腰を抱かれそのままエレベーター前に行き下階行きのボタンを押している。
私はお酒は弱くても飲み会は好きだ。知佳ちゃんと飲みに行くのは楽しいのに!訴えるために航さんの顔を見上げたら、思いの外熱のこもった目が私を見下ろす。

「お前のその顔は俺だけのものなんだ。誰にも見せたくない」

「そ、その顔ってどんな顔?」

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