先輩の恋人 ~花曇りのち晴れ渡る花笑み~
「あ、どうも」
「お帰りですか?僕まだ飲み足りないんですけど、どうです一緒に?」
誘われたけど、もう私は男に媚びるのは疲れた。今日は帰りたい。
「あ、いえ、飲みすぎちゃったんで今日は帰ります」
「まあまあ、いいじゃないですか!もう一杯だけ。オススメの店がこの近くにあるんですよ!行きましょう!」
断ってるのに馴れ馴れしく私の腰に手を回すこいつ。
私はもう帰りたいんだっつうの!
「いえ、もう帰るんで!」
なんとか振りほどこうと思ったんだけど酔ってるせいか思うように力が入らない。
その間もグイグイ押され連れてかれそうになる。
「ちょっ…」
「あ~西川!ここにいたのか!探したぞ!」
私が文句言おうとしたら後ろから私達の間に割った人物がいて、さっきまでまとわりついてた手があっさり離された。
「は?小山?」
「え、誰?」
そこにはいつもうだつの上がらない小山。
いっこ先輩だけど呼び捨てにする方がしっくりくるからそう呼んでる。
「西川送ってやるって約束しただろ?先帰ろうとするなんてひどいな」
にへらっと笑って私にのたまう。
「はあ?」
怪訝な顔で見ると、隣も怪訝な顔。