先輩の恋人 ~花曇りのち晴れ渡る花笑み~
最近置田くんの元気がない。
これは観察するようになって気づいたんだけど、たまに花笑さんの方をじっと見ている時がある。
私が気付いて振り向くと目を反らすことが続いた。
廊下で花笑さんと置田くんが話をしているところに通りかかったら、
「…たら、僕が守ります」って言っていた。
そのことを里美に言ったら、
「やだそれ、愛の告白みたい」といっていた。
置田くんは何から花笑さんを守ると言ってるのだろう。
-----
今日はなんだか部内がピリピリしてる。
なんだろうと思っていたら、滅多にお目にかかれない社長が現れた。
部長と課長が応対してる。社長の後ろにショートカットの美女が控えていた。
後ろから「アネキ…」と声がして後ろを振り返ると置田くんがいた。
「アネキ?もしかしてあの美女置田くんのお姉さん?」
「そ、社長秘書。ついでに社長はオヤジ」
「えっ・・・、オキタコーポレーションのオキタ?!置田くんってここの御曹司だったの?」
小声ながらも思わず聞いてしまった。
「そうだよ、知らなかった?」
「し、知らなかった……花笑さん知ってました?」
花笑さんを見たら下を向いて青い顔をしていてびっくりした。