先輩の恋人 ~花曇りのち晴れ渡る花笑み~
お礼を言って息を目一杯溜めて火を消した。
なんとか一息で火を消すと、拍手の中ワインを一口飲んだ。葡萄のいい香りが弾けてとても美味しかった。
みんな次々おめでとう!と言葉をかけてくれる。
「さあ、まずは食べよう!旨そうだな!花笑ちゃんが全部作ったの?」
「あ、航さんと手分けして作りました。簡単なのばかりですけど」
「小山!さっきからどさくさに紛れて花笑のこと名前で呼ぶな!」
航さんが小山さんを威嚇して、またどっと笑いが起きた。なんだか航さんの実家に行った時のことが思い出される。私も思わず笑ってしまった。
それぞれ、食べたいものをお皿に移し食べ始めて、どう反応するか気になって固唾を飲んで見守った。
「おいしい!花笑さんすごくおいしいです!」
「うん、うまい!」
「お寿司もおいしいわ。悔しいけど」
みんな、美味しそうに箸を進めていて、ホッとして航さんを見たら満足そうな顔で私と目が合った。
二人で笑って私も航さんの握ったお寿司を食べる。
「美味しい!航さんさすがだね」
「まあな」
不敵に笑う航さん。
和やかに皆はお酒が進む。
シャンパンを開けた後はビールに焼酎、箱のビールが料理と共にどんどん無くなっていった。
9時過ぎに置田君が到着。
私の代わりにお出迎えに行った知佳ちゃんと入ってきた置田君は大きな花束を持っていた。