先輩の恋人 ~花曇りのち晴れ渡る花笑み~
「遅くなりましたー。花笑さん山片課長ご結婚おめでとうございます!」
「わあ、置田君ありがとう!」
「置田にしては粋なことしてくれるな。」
航さんが感心したように言ったけど、照れたように頭を掻いた。
「実は、皆に頼まれてまして…、後から渡した方が盛り上がるからって」
「なんだ、気が利くと思ったのに。」
呆れたように笑いながらも置田君の頭を撫でてくしゃくしゃにしてる。
「ふふ、みなさん、きれいなお花ありがとうございます!」
振り返って皆にお礼を言ったら拍手と冷やかしが飛ぶ。
置田君も加わって話は盛り上がった。
「花笑さん、プロポーズの言葉ってなんだったんですか?」
「え、え~っと、普通よ」
教えても構わないけど、出来れば二人の大切な思い出だから。爛々とした目で聞いてくる知佳ちゃんにたじろきながら、言葉を濁した。
「山片課長が自分の誕生日にプロポーズしたんでしょ。」
内緒にしておきたいと思ったけど、西川さんにぽろっと言ってしまったことを覚えてたみたいで、みんなに暴露する。
「え~それってもしかして、俺の誕生日に欲しいプレゼントはお前だ!とかですか?」
置田君がズバッと当ててきて慌てる。
「えっ?ああ、どうだったかな~」
困って隣を見ると航さんは恥ずかしいのかそっぽを向いて知らん顔。
「わあ、それ素敵!」
「へぇ~、自分の誕生日にプロポーズして、彼女の誕生日に入籍ですか」