先輩の恋人 ~花曇りのち晴れ渡る花笑み~

知佳ちゃんは日野君の腕を取りはしゃいでる。
日野君はそんな知佳ちゃんを愛おしそうに見ていた。
二人は最近付き合うようになって、傍から見てもラブラブなお似合いのカップル。
見ていて微笑ましい。
知佳ちゃんの片思いが成就して良かった。

「いいなそれ~。俺もそうしようかな?」

そういう、小山さんは西川さんに目線を移す。

「西川の誕生日はいつなんだ?因みに俺は7月26日」

「は?なんで小山に私の誕生日を教えてやらないといけないの?」

これは…こちらも恋の予感が…。
でも、ツンとそっぽを向くつれない西川さんに苦笑いの小山さん。前途多難ですね小山さん。
小さくファイト!とエールを送る。

話はうやむやに違う話に移り、みんなにのせられ航さんとケーキカットの真似事をしたりして盛り上がった。
ケーキを美味しく頂きながらワイワイ楽しい歓談の中、水沢さんが皆に言った。

「さぁて、そろそろ俺たちは帰ろうか」

「ええ~っ俺まだ来たばっかりなのに~」

置田君が来てから1時間くらいでまだ飲み足りないみたい。
「明日は休みなんだからまだいいじゃないですか~」と一人文句を言っている。

「野暮なことは言うなよ、山片さんたちは今日入籍したんだ。言わば、今夜は新婚初夜だぞ。初夜!」

いつもは寡黙なのに酔っぱらって饒舌になってる浅野さんが置田くんの肩を組んで声を大にして言いきかせる。
航さんはぶっとビールを拭きそうになって、私はボッと顔が噴火したように熱くなった。
周りの皆も赤い顔で目が泳いでる。
浅野さんっはこの空気をもろともせず一人大笑いして置田君の背中をばしばし叩いてた。

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