先輩の恋人 ~花曇りのち晴れ渡る花笑み~
カチャとドアが開いて、ドキッとする。
髪をタオルで拭きながら入ってきた航さんが微動だにしない私を不思議そうに見ている。
「どうした?」
「う、ううん。何でもない」
慌てて布団の中に入って誤魔化した。
ククッと笑い声。
「花笑、何か変に意識してないか?」
ベッドに腰掛け私の顔を覗き込む。
うっ、ばれてる…。
顔を半分隠して航さんを見つめ返した。
「だ、だって、しょ、初夜とか言われて…、どうしたらいいの?」
しどろもどろで顔が熱くなる。
そんな私を見て航さんはフッと笑い布団をめくり入ってきた。
「何も…。今まで通りでいんだよ」
ぴったり横に寄り添って肩肘をついて私の頭を撫でてくれる。
「今までと何も変わらない。花笑は俺に愛されてればいいんだ。これから先もずっと…」
「航さん…」
甘い顔で見つめられ、微笑み合う。
みんなが祝福してくれて、
航さんに抱き締められて、
私は今とても幸せ。
これからも変わらずに…
私も航さんを愛していく。
ずっとずうっ~といつまでも。
FIN