先輩の恋人 ~花曇りのち晴れ渡る花笑み~

「花笑さんどうしたんですか?」

「大丈夫、大丈夫だから気にしないで…」

「でも具合悪いんじゃ…」

「しっ今は騒がない方がいい」

置田くんが低い声で私を止めた。確かに社長のいるとこで騒がない方がいいだろう。黙ってなり行きを見守ることにした。置田くんはなんだか社長達を睨んでいるような、家族関係良くないんだろうか?

しばらくすると社長たちは帰って行った。と思ったら社長たちを追いかけるように、置田くんは花笑さんをつれて出ていった。
なんだろう…と、気になりながらも仕事を続けていたら、だいぶ経ってから花笑さん達は戻ってきた。

「は、花笑さん、目真っ赤ですよ?どうしたんですか?」

よく見ると泣いたように目が真っ赤で鼻の頭もちょっと赤い。

「あ、あ~花粉症みたいで…もう大丈夫」

大丈夫そうには見えないけど先ほどのような顔色の悪さはない。
心なしかすっきりしたような顔をしている。
でもそれ以上は教えてくれないみたい。

気にしながらも業務に戻る。なんだかわからないことばかりだ。
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