先輩の恋人 ~花曇りのち晴れ渡る花笑み~
トラブル発生!?
ホテルに戻ると小野田部長が慌ててこちらに駆け寄って来た。
「山片君、大変な事になった」
「どうしたんですか部長」
山片課長が眉間にしわを寄せていつもの仕事モードになった。
「有山ホテルの特別注文のワインの年代が違うとクレームが入った」
「えっそんなはずは……」
置田くんが動揺してる。
確かかなり有名な作家先生のデビュー何十周年記念のパーティーで、デビュー年のワインを出したいという注文で置田くんが担当してたはず。小山さんがサポートに付いて初めて一人での担当だった。
「向こうの支配人がカンカンで電話口だと話になんないんだ、明日必要なのにどうしてくれるんだと」
「置田どうなってる?」
山片課長が静かながらも低い声で置田くんを呼んだ。青い顔をして課長のそばに寄る。
「年代は1976年と確認を取ったはずです。発注書もそのようになってるはずで……」
困惑しながらも思い出しながら答えた。
「僕もそう聞いてます…」
サポートしてた小山さんも神妙な面持ちで言った。
「部長、とりあえず本当は何年が必要なのか先方に聞き出してください。」
「ああ、わかった」
「小山、年代聞いたら片っ端から業者に電話してその年代のワインがあるか聞いてくれ」
「わかりました」
小山さんも真剣な顔で頷く。