先輩の恋人 ~花曇りのち晴れ渡る花笑み~
確かに、いくら旅行先とはいえ状況が状況なだけに私服で行くのは憚られる。
「こっちもなんとか援護できるように頑張るから、置田くんもめげずに頑張ってね」
真面目な顔で言ったら、
「お、おう。もうこうなったら誠心誠意謝って、土下座でも何でもしてくる」
と置田くんも覚悟を決めたみたい。
「課長レンタカー借りてきました」
花笑さんが戻ってきた。
「よし、行くぞ」
「僕が運転します!」
すかさず車に乗り込みナビを操作している。
「みんな、年代がわかった!1967年だ。俺の部屋に集まってやるぞ!」
部長がみんなに声をかけた。
6と7が入れ間違ったみたいだ。でもそんな初歩的なミスする?
?を頭に浮かべながら課長達を見送ろうとしたら
「すぐに取りかかってくれ、時間が勿体ない」と言われ、みんなで部長の部屋へ向かった
「あれ、花笑さんは?」
花笑さんが来てないことに気付いて戻ってみると、
車の横で課長と花笑さんが向かい合って何か話してる。
課長がふっと笑って花笑さんの頭をワシャっと撫でて、サッと車に乗って行ってしまった。
花笑さんの横顔がすごく切なそうに見えて……
はっ、ピンと来た。
里美、私、わかっちゃったかも……