先輩の恋人 ~花曇りのち晴れ渡る花笑み~
先輩の好きな人
「花笑さん呑みましょう!夜はこれからですよ!」
これはもう酔った勢いで白状してもらおうと部屋呑みを開始した。
他愛ない話をしながら呑んで頃合いを見てぽつっと言ってみた。
「花笑さん、私わかっちゃたんです」
「ん?何がー?」
もう酔ってきた花笑さんがにっこりしながらこちらを見た
「コウくん……の正体です」
「えっ、なんでそれを……!?」
酔いが覚めたようにビクッとして焦っている。
「あ、ごめんなさい!前に西川さんが倒れた時に花笑さんがコウくんって呟いたの聞いちゃって、勝手にあの時いた3人の中の一人が彼氏だろうと思ってたんです」
花笑さんはじっと私を見てたけどふぅーっとため息ひとつついて「そっか…」と呟いた。
「詮索するみたいでごめんなさい」
と、今まで観察して突き止めようとしてたことを正直に話して謝った。
「私、実はその3人の中に好きな人がいて……もし花笑さんの彼氏だったら諦めなきゃ…と思って…」
「それって、日野くん?」
優しい眼差しで聞いてきた。