先輩の恋人 ~花曇りのち晴れ渡る花笑み~

恥ずかしながらはにかむ花笑さんは凄くかわいい。

「ホントに昔は思った事も直ぐ言っちゃうような子供だったの…。
無事高校も受かって報告に行った時に、これで先生としてもう会えなくなるから真剣に付き合って欲しいと告白したけど、今まで好きと言っていたのも冗談だと思ってたみたいでびっくりしてた。
でも私のことは教え子、というよりやっぱり子供としか思ってなくて。
「気持ちは嬉しいけど……花笑はこれからいろんな出会いがある。大人になっても俺が好きならその時もう一度告白して?」とやんわり断られて…。
その後はメールでたまに近況報告はしてたけど会うことはなかった。
でも私は航さんのことずっと好きで忘れられなくて。他の男の人も目に入らないまま大学に進んで、航さんにどこに就職したかも聞いていたから、迷わず同じ会社に就職したんだけど……ここまですると痛い女よね、ストーカーみたいで」

そう言って一口お酒を飲むと、自虐的に笑って目を伏せてる花笑さん。

「そんなことないです。すごい一途で情熱的」

逢えなくてもずっと好きでいれるなんて素敵なことだと思う。
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