先輩の恋人 ~花曇りのち晴れ渡る花笑み~
花笑Side
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「ふぅ~」
医務室に入ってため息をつく。
おじいちゃん先生は奥の方でお茶を飲んでるようだ。
こうくんにかわいくない態度を取ってしまった。
後悔しながらも、先ほど抱きしめられたことを思い出す。
抱きしめられたときは嬉しかったけど、その瞬間、妖艶な香水の香りがしてばっと離れてしまった。
こうくんはあまり香水を付けない。
きっと西川さんの香水が移ってしまったんだろう。
それくらい密着してたと思ったら、胸の中に黒いものが渦巻いて吐き気がした。
「…っ」
致し方ない状況だったってことは百も承知だ。
でも、それでも、さっきの光景は私にはショックで、羨ましく思ってしまった自分に心底嫌気がさす。
私、こんなに嫉妬深い女なんだ…。
それを自覚して余計に自己嫌悪に陥った。
何とか自分の感情を抑えていると、カーテンの向こうからがさごそと音がして、ためらいながらカーテンを開けて様子を見てみると、西川さんが起きだしていた。
「西川さん、大丈夫ですか?」
声をかけると、西川さんはふわぁあ~とあくびをして聞いてきた。
「あれぇ、松崎さんだけぇ?課長たちは?」
「みんな仕事に戻ってます」
「あっそ、じゃ、私貧血ってことで早退するわね。後よろしく~」
そう言って、颯爽と私の横を通り過ぎて帰っていった。
あの香水の香りを残して…。
「やっぱり。あれはさぼりじゃな」
後ろから声がして振り返るとすぐそこにおじいちゃん先生がいた。
「あんたもご苦労さんだな。どうだ、お茶でも飲んでくかい?」
「あ、いえ。私も仕事に戻ります。ありがとうございました。」
お礼を言って私も営業部フロアへ戻った。
私も西川さんは仮病なんじゃないかとなんとなく予想はしていた。
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「ふぅ~」
医務室に入ってため息をつく。
おじいちゃん先生は奥の方でお茶を飲んでるようだ。
こうくんにかわいくない態度を取ってしまった。
後悔しながらも、先ほど抱きしめられたことを思い出す。
抱きしめられたときは嬉しかったけど、その瞬間、妖艶な香水の香りがしてばっと離れてしまった。
こうくんはあまり香水を付けない。
きっと西川さんの香水が移ってしまったんだろう。
それくらい密着してたと思ったら、胸の中に黒いものが渦巻いて吐き気がした。
「…っ」
致し方ない状況だったってことは百も承知だ。
でも、それでも、さっきの光景は私にはショックで、羨ましく思ってしまった自分に心底嫌気がさす。
私、こんなに嫉妬深い女なんだ…。
それを自覚して余計に自己嫌悪に陥った。
何とか自分の感情を抑えていると、カーテンの向こうからがさごそと音がして、ためらいながらカーテンを開けて様子を見てみると、西川さんが起きだしていた。
「西川さん、大丈夫ですか?」
声をかけると、西川さんはふわぁあ~とあくびをして聞いてきた。
「あれぇ、松崎さんだけぇ?課長たちは?」
「みんな仕事に戻ってます」
「あっそ、じゃ、私貧血ってことで早退するわね。後よろしく~」
そう言って、颯爽と私の横を通り過ぎて帰っていった。
あの香水の香りを残して…。
「やっぱり。あれはさぼりじゃな」
後ろから声がして振り返るとすぐそこにおじいちゃん先生がいた。
「あんたもご苦労さんだな。どうだ、お茶でも飲んでくかい?」
「あ、いえ。私も仕事に戻ります。ありがとうございました。」
お礼を言って私も営業部フロアへ戻った。
私も西川さんは仮病なんじゃないかとなんとなく予想はしていた。