先輩の恋人 ~花曇りのち晴れ渡る花笑み~
「私より知佳ちゃんの方がモテると思うけど。知佳ちゃんはどうなの?」
「えっ私?私なんて童顔だしぽっちゃりだし、ぜんっぜんモテませんよ」
「そんなことないわよ。知佳ちゃん・・」
そう言って私の頬を両手に挟んで顔を近づける。
「こぼれそうなクリクリの目も、ふわふわの髪の毛も、ぽってりした唇もとっても魅力的よ」
眼鏡越しのちょっと酔ってる目がにっこり笑う。妖艶で同じ女なのにドキッとしてしまった。
ゆっくりと戻っていく花笑さんをぼーっと見とれていた。
「いるわよ、好きな人」
「えっ!」
思わず我に返った
「付き合ってる…と言ってもいいのかな・・」
ほうっとため息ひとつ。
「えっどういうことですか?ってか好きな人って誰ですか?」
「ふふっ誰かは内緒。お互いの家を行き来したり、デートもしてくれるんだけど…」
次の言葉を待ってごくっと喉がなる。
「私のこと好きかどうかわからないの・・・気持ちが見えないというか、私の方が好きすぎて彼の心が見えてないのかな~」
苦笑いをしながらまたゴクリ。
「そんな、好きに決まってるじゃないですか!ふつう好きでもない人とデートなんてしないですよ」
「そうかな・・・なんだか最近自信無くなってきちゃって」
へへっとまた苦笑いしながらゴクリ。
花笑さん意外と辛い恋愛してる?
「さあ、次は知佳ちゃんの番。どうなの?」