先輩の恋人 ~花曇りのち晴れ渡る花笑み~

今日見た映画の話や、他愛ない話をしながら食べていると、話が途切れ沈黙が続いた後、
ふと、こうくんが呟いた

「こうやって一緒に飯を食うことも出来なくなるのか…」

「えっ…?」

今なんて?
何度となくこうやって一緒に食卓を囲んできた。
それが出来なくなるって…、思いをめぐらした私は一つの可能性に行き着いた。

「西川さん…」
絶望感のまま呆然と呟いた後、持っていた箸を置いて俯き、膝の上でギュッと手を握った。

「あ?何?」

小さく呟いた言葉が聞き取れなくて聞き返してきたこうくんに思い切って聞いてみた。

「に、西川さんと付き合うことにしたの?だからこうして私と会うことも、もうしてくれないの?だから今日は映画に誘ってくれて…これで最後ってこと…?」

「お前、何言ってんだ・・?!」

訳が解らないといった様子で聞き返してくるこうくんの声はもう私には届かなくて…
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