先輩の恋人 ~花曇りのち晴れ渡る花笑み~
花笑Side
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もうすぐ終業時間という時、しばらく静かだった西川さんが私の所に来て小さな声で呼んだ。

「ねぇ松崎さ~ん」

何となくギクッとして、嫌な予感をしながら返事をする。
「…はい、なんでしょう?」

「今日暇かしら、暇よね?」

聞いておきながら決めつける。

「今日合コンがあるんだけど、人数足りなくってぇ、一緒に行かない?」

「いえ、私そういうのはちょっと・・・」

「いいじゃないたまには。あなたあんまり出会いもないみたいだし、私が協力してあげるって言ってるじゃない」

なんで私に?と思ったけど、どう断ろうか思案していると、

「どうしたんですか?」

資料室から戻って来た知佳ちゃん

「ちょうどいいわ、夏野さんも一緒にどう?ゴ・ウ・コ・ン」

「え、いや私はいいです・・・」

「人数足りないのよ。いてくれるだけでいいから。今回のお相手医者よ!こんな機会なかなかないのよ!」

先ほど小さかった声は段々大きくなって、周りの人達もチラチラこちらを見ている。

「あ、やっぱり若い子はいいわ。まだ出会いがありそうだもの。地味で目立たない松崎さんに出合いを分けてあげないとね」

ニヤッと意地悪に笑う西川さんに苦笑いしか出てこない。やっぱり私ってそういう風にしか見えないのね。

「なっ…!?」

知佳ちゃんが何か言い返そうとしたとき、

「おい!まだ終業前だ!なにくっちゃべってんだ!仕事しろ!」

山片課長の雷が落ちた!3人でビクッと首を竦める。

「松崎、ちょっとこい」

「じゃ、じゃあ続きは後でね。逃げないでよ!」

山片課長が呼んだので西川さんは渋々引き上げて行った。

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