先輩の恋人 ~花曇りのち晴れ渡る花笑み~
またため息をついた操さんは社長に向かって
「社長、この後は人事部とランチミーティングです。会議室の用意はできているので私がいなくても大丈夫でしょう?」
「ああ、構わないよ」
静観していた社長はちょうど開いたエレベーターに乗り込む
「では失礼します」
頭を下げる操さんにならって私も頭を下げた。
扉が閉まって腕を組みこちらを見据える操さん。
「全く、私は何も話す事はないって言ってるでしょ。」
「現に花笑さんは今でも姉貴に怯えてるだろ!」
「お、置田君!」
声を荒げている訳じゃないけど、ここが誰でも通る廊下だからヒヤヒヤする。
怖いのも忘れて置田君を押さえた時、操さんと目が合った。ついビクッとなってしまって気まずい…。
「…とりあえず、そこの非常階段でいいわ。移動しましょ。」
普段使われていない非常階段は人気もなくシーンとしてる。
「で、何の話?」
「姉貴!しらばっくれてないでちゃんと事実を話せよ!」
操さんと置田君のやり取りにおろおろとするばかり。