セナカアワセ
「そんな顔してるってことは、那美香から過去の話聞かされてないんでしょ?、、、、、、いいよ、私が話してあげる。でも!!これを聞いたらもう二度と那美香の前に現れないでっ!!」




私はそう言うと遙人君の肩から手を離して、一歩後ろに下がった。



そして、乱れた呼吸を整えた。



「那美香は、中学の時に大好きだった彼氏がきっかけで自分の好きなことを好きだと言えなくなったの、、、。彼氏に笑われた。古典文学好きなこと。見ていた本も破られた。その彼氏は、自分の人気を上げるために那美香を利用したの。別れた後、周りからなんて言われたと思う?、、、みんな彼氏の味方したの。別れる方が馬鹿だって。」




遙人君はまだ訳が分からなそうにただただ話を聞いていた。




「まだ分からない?遙人君は、その彼氏と同じようなことをしたんだよっ!!前の彼氏には好きなこと貶されて、周りから批判されて!!今度は、なに?遙人君は、運動できることを批判するの?そんな彼女重いって?分かってるはずじゃん!!那美香がどれだけスポーツするのが好きかっ!!」




どうして、那美香だけ、、、、




やっと立ち直ってきているのに。




また、そうやって自分の一部みたいに大事なものを馬鹿にされて貶されるの?



好きなこと、他人に馬鹿にされる苦しみも分からないの?




「遙人君だって、バスケ好きだったのに出来なくなったんでしょ!?好きな物、他人に奪われる苦しみ知ってるのにっ、それを那美香に言うの!?」




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