セナカアワセ
後ろから腕を引っ張られて、後ろに転びそうになる。



言いかけてた言葉を遮ったのは遙人だった。



「え?遙人!?」



遙人は何も言わずにずんずん歩く。



陸はぼーっと立ったまま固まってるし。



階段の踊場まで来ると、私の手を離した。



「遙人?」



「ん?」



「いや、ありがとう。」



「どういたしまして。だって、お化け屋敷、行くんだろ?」



ニヤッと笑う遙人を見て、お礼なんて言わなければ良かったと後悔する。



「お二人ですかー?」



なんて言われて、私は頷くしかない。



隣で楽しみだなーなんて言ってる遙人にも、いつもなら言い返せるけど、もう冗談なんて言えないほど緊張している。



「じゃあどうぞーー!!」



そう言われて遙人が扉を開ける。



これは、絶対無理!!!!



「入らないの?」



意地悪な顔で遙人が私を見る。




「先に入っていいよ。」



そう言って遙人の背中を押す。



笑っているのは分かっているけど、私はパニックなんだってば!!



扉が閉まると一気に辺りが暗くなる。



遙人の後ろをついていくけど、怖くて無理。



すると、



バタバタバタッッッッ



と音が鳴った。



「うわっ、びっくりしたー。あいつらマジで本格的だなー、って、那美佳?」



私はその場にうずくまったまま動けなくなった。



「、、、、、、、、、、、、、、、もう無理。」



私がそう言うと、遙人が笑って私の頭を撫でた。



「ごめんごめん。那美佳がこういうの嫌いなの知ってて連れてきた。」



「うん、、、、、、私も知ってた。」





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