セナカアワセ
何か、考えている表情の遙人。



そんな表情を見たから、遙人が話してくれるのを待とうと思った。



















次の日の朝。



私は朝早くから教室で生徒会の仕事をしていた。



冬休みが近いからって仕事多すぎなんだよ!と心の中で文句を言っていると、教室の扉がバンっと開いた。



「那美佳!おはよ!」



「あは、よう。どうしたの?そんなに慌てて。」



栞里は息を切らしていて、リュックを自分の席に置くと私の前の席に座った。



「昨日の夜ね、会長と電話してたら、クリスマス一緒に過ごそうって言われて。私、会長は受験で忙しいから絶対過ごせないと思ったんだけど、夜なら大丈夫って言われて。」



「おぉ!良かったね、栞里!!」



「そう!良かったの!でも、その、デートはしてたけど、クリスマスは特別な日にしたいでしょ?だから、服とか髪とか、どうしようって考えたら寝れなくなっちゃって。気づいたら学校まで走ってた。」



栞里がそんなこと言うから、私まで照れてきて、でもそんな栞里が面白くて、



「あはははっ!!!栞里、本当に可愛いね!」



「ちょ、今可愛いとかいらない!!」



「照れない、照れない。そっかー、特別かー。」



「大それたことしなくても、服とかはちゃんとしたの着たいでしょ?」



確かにねー。



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